Nord Lead 2Xを買っていた

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少し前の話なんですが、Nord Lead 2Xを中古で買っていました。

バーチャル・アナログ・シンセサイザーの元祖、かつ定番モデルとして永らく愛されてきたNord Lead 2Xです。
初代→2→3(→Wave)→2Xと時代と共に機能も発展し、今はNord Lead 4やNord Lead A1といった後継機種が出ています。
沢山のモデルがあるのですが、「初代」「2」「2X」はあまり機能的には変わりません。
しかし「3」は異色の存在で、私も実際に触ったことがあるのですが、ロータリーエンコーダーの周りに現在のツマミの位置がLEDで表示されたり、4オペレーターのFM音源も搭載、ハードシンセでありながらもかなり柔軟なコントローラーのモジュレーション割り当て機能を持っているなど、それまでのNord Leadとは別格の存在という感じでした。
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↑これはNord Lead 3

また、「4」、「A1」も、それまでのNord Leadシリーズには無かったエフェクターやラダーフィルターなどが搭載され、デザインも黒いパネルに赤いLEDとなって締まった印象があります。

初代Nord LeadはProphet-5をデジタルでモデリングしたとも言われていて、実はこのNord Lead 2Xのプリセット音色にもPropeht-5のプリセット音色を再現した音がこっそり入っていたりします。

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筐体の赤と、鍵盤の白と黒のコントラストがとっても眩しい。

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ツマミやボタン、LEDが露骨についているので如何にもシンセサイザー然とした感じです。
金属製の筐体やしっかりとした手応えのあるツマミの感触も安っぽさを感じさせず、触っていてとても楽しいです。

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シンセサイザーでおそらく一番大事なツマミであろう「カットオフ周波数」つまみも、演奏中にすぐに触れるよう、鍵盤に一番近い手前側に位置しています。
視認性の良いように、かつ全体のまとまったデザインを壊すことのないようにさりげなく文字色が反転している部分も、Nord(Clavia)のこだわりなのでしょうか。

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Nordのキーボードで最も特徴的なのは、この木製のピッチベンドスティックだと思います。
名前の通り出ている音のピッチを一時的にずらすことによってギターのチョーキングのような効果を得るものなのですが、普通は縦向きのホイールだったり、ジョイスティックのような形になっているものが多いです。
しかしNordのキーボードについているピッチベンドスティックは、ちょうど指が一本嵌まるようにできていて、左右に動かして使います。
私はこのピッチベンダーの硬さや感覚が堪らなく好きで、上手に人差し指を震えさせるように使うと、LFOを使わずとも、綺麗で人間的なビブラートを掛けることが出来てとても楽しいです。

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このようにピッチベンダーに人差し指、右側のホイールに親指、中指や薬指をオクターブシフトボタンにすぐに置けるようになっているのも、Nordらしいデザインだと思います。これのお陰でリード系の音色がとても演奏しやすく、まさにNord Leadといった感じです。

このすぐ上にA, B, C, Dと4つのボタンがあるのですが、ここにそれぞれプリセットから別々に4つの音色を割り当てる事ができます。
細かい設定が可能で、例えばAにベースの音色を、Bにリード1、Cにリード2をそれぞれ割り当てて、鍵盤を分割して低い方の鍵盤にはAのベースを、高い方の鍵盤ではBとCをレイヤーして…といった使い方もできます。
更にNord Lead 2Xには出力もA, B, C, Dの4系統があるので、4つの音色をパラで別々に出力が可能です。

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音色や機能面での感想ですが、まず一番初めに感じたのはアタックの速さと、音の繊細さです。
他のシンセと比較して、綿棒でつつくか裁縫針でつつくか、程度の違いがあるように感じられます。
ハンディオシロスコープというフリーソフトでオシレーター波形を見てみたのですが、かなり整っていて、きちんと角が尖っている しっかりとした波形でした。
nl2xsaw
nl2xsq



ちなみに、KORG R3のオシレーターの波形はこんな感じでした。参考までに。
r3saw
r3sq

それから、「Manual」というボタンがあって、このボタンを押すとすぐにパネル上のツマミの実際の位置の音が出るようになります。これが意外と便利で、音作りを1から始める時などに物凄く重宝します。

不満な点としては
・オクターブシフトをした状態でも、MIDI OUT端子から出てくる音程が変わらない(オシレーターの音程が変わっているだけ?)
最初、Nord Leadを買ったらデスクの真ん中に置いてメインの打ち込み用のキーボードと兼用して使おうと思っていたのですが、オクターブシフトをした状態で鍵盤を弾いても、MIDI出力されるノートは鍵盤のそのままのオクターブで出力されてしまう仕様に気付いてから、諦めてデスクの左側のキーボードスタンドに設置しました。
*2014/12/31 追記: オクターブシフトボタン同時長押しでMIDIレベルでのトランスポーズが可能なモードに切り替えできる模様(取説を読んで気づいた)

・音色の外部への保存が面倒臭い
単純に作った音色を本体に記録するだけなら、STOREと書かれた赤いボタンを押すだけでいいんですが、本体に保存できる音色には限りがあるので、メモリーがいっぱいになると外部に記録する必要があります。
最近のシンセだと、PCとUSB接続して専用ソフトで簡単に音色をファイルに保存したり出来るのですが、それが無いため特定の手順でSysExのメッセージをシーケンサーで録音する必要があります。その方法がシンプルといえばシンプルなんですが、少し残念。
さらに出荷状態で本体のプリセットメモリーが全て埋まっているので、音作りをする気力がすこし削がれてしまいました。

・エフェクトがついてない
Nord Leadシリーズはオシレーターで音色を作りこむようなイメージがあるし、後継のWaveや4、A1にはエフェクトが搭載されているし、外部に単体のエフェクターを接続して使うか、DAWで掛けるかすればいいので、仕方ないか

そんな感じで不満な点も幾つかあるのですが、出音の良さと、楽器としての完成度が非常に高いことなど、全体的にみて満足です。
もし次にシンセを買うとしたら、MiniBruteやPulseのようなアナログシンセか、VIRUS TIやUltranovaのようなDAWと強力な連携機能をもったシンセが欲しいですね。


最後に、このNord Leadを中心に、私の所持するハードシンセが大活躍した曲を貼っておきます。

イントロのリードと、左側で鳴ってるシンセのコードはNord Lead 2Xで、バリバリしたベースはR3の強力なエフェクトを使いました。ピアノは勿論 M1です。とても気に入っています。
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